女性の月経は一般に10~13歳くらいで初潮を迎え,52歳くらいまでに8割の方が閉経するとされています。
およそ40年,人生の半分の期間と長く付き合うものですからできる限りトラブルなく過ごしたいものです。
ここでは【生理期・月経期】【低温期・卵胞期】【排卵期】【高温期・黄体期】におこるトラブルと骨盤の様子,それに対するケアと対策についてお話しします。
生理期・月経期
【生理中に起こるトラブル】
- 痛み:頭痛,腰痛,下腹部痛
- 胃腸:吐き気,下痢,便秘
- 精神:イライラ,憂うつ
- 全身:貧血,眠気,だるさ,肌荒れ,むくみ
【生理中の骨盤】
経血や老廃物を排出しやすくするために骨盤は大きく開いています。
ココに注意
悪い姿勢だと骨盤がすぐゆがんでしまいます。
骨盤が開いているので「冷え」が子宮内に侵入しやすくなっています
【生理中のケア】
前月経周期に妊娠が成立しないと月経が起こります。月経周期とは妊娠を成立させるためおよそ1か月ごとのサイクルです。妊娠しなかった子宮からはため込んだ血液と子宮内膜を剥がしてリセットします。これが月経です。
ため込んで古くなった血液の排出と子宮内膜を剥がすのですから,「月経のときは出血して当然,生理痛があって当然」なのです。
ただし痛いのはあたりまえとはいえ,程度というものがあります。目安として市販の鎮痛薬で間にあってしまうならよいのですが,市販薬くらいではおさまらず仕事や学校を休んでしまうようでは対策を講じる必要があります。
経血に関してですが「夜間に夜用ナプキン1枚では間に合わない,昼間でも1時間ごとに替えないといけない」くらいになると正常とはいえません。
また生理痛や出血がだんだんとひどくなるようでは子宮内膜症や卵巣嚢腫などの疑いを考えなくてはいけません。このような病的なものがあったとしても,経過観察中であれば鍼灸でじゅうぶんに対応できます。
生理中のケアとして
- 冷えに侵されやすいので冷たい物を摂り過ぎない
- 砂糖やチョコレートなど脂肪分が多いものは控える
- 排出の時期なので服装も含めてゆったり過ごす
- 無理のない軽いストレッチなどをとりいれる
- 生理中に鎮痛薬が必要な方は痛みがはじまったら我慢せずはやめに飲み始める
- 生理が来るたびに生理痛や出血がひどくなってきたら病院の受診を考える
低温期・卵胞期
【低温期・卵胞期のトラブル】
生理あけから排卵に向けて女子力(エストロゲンの分泌)がパワーアップします。したがってこの時期はとてもアクティブに行動できるはずです。
逆に元気な時なのにからだが重い,気持ちが落ち込むなどという場合には何かトラブルが忍び寄ってきているのかもしれません。
【低温期・卵胞期の骨盤】
生理中に開いていた骨盤が徐々に閉じはじめてきます。
ココがチャンス
おしりを引き締めてヒップアップさせるのにもってこいの時です。
新陳代謝も上がっているので,余計なお肉を燃焼させるのに向いてます。
【低温期・卵胞期のケア】
排卵に向けて女子力(エストロゲンの分泌)がアップしていきます。とにかく元気なので多少の無理もへっちゃらです。
坂道を駆け上っているときなのでピークの排卵期に向けて力を溜めながら生活していきましょう。
イベントやショッピングなど攻めの過ごし方もOKですし,新陳代謝もアップしているので甘いものも摂っていただいてかまいません。
ボディのメンテナンスやダイエットにも向いている時期です。高価な美容液や栄養クリームを使えば良質な成分が肌にビュンビュン吸収されていくし,鍼灸やオイルトリートメントをしてさらにアクティブに過ごすことをおすすめします。
過ごし方として
- とにかく楽しいことワクワクすることを考えて実行する
- 良質な脂肪やミネラルなど,高品質な栄養を摂る
- ダイエットを,とくにおしり周りのシェイプアップに
- 卵やナッツ,豆類などの「生命力」が宿るパワーフードを摂る
排卵期
【排卵期のトラブル】
おなかのチクチク感やこめかみの頭痛,透明なビョーんとのびるおりものが急に増えてくることが感じられます。しかしこれは普段健康な方であれば排卵のサインだと思われます。排卵するとこれらの症状は消えていきます。
【排卵期の骨盤】
骨盤がいちばん引き締まっているときです。
ココがチャンス
エクササイズなどで腰のくびれをつくりましょう。
【排卵期のケア】
排卵に備えて女子力(エストロゲンの分泌)がピークの時で,攻めの過ごし方に加えていろいろなことに気持ちが勝負をかけたくなるくらい元気な時です。
ボディトリートメントをすることもおすすめで,バストやおしりにはりがでるので腰のくびれを作りやすい時期です。
バスト,くびれ,ヒップアップなど「出るとこひっこむとこ」を作りましょう。
【排卵日を知るには】
- 基礎体温をつけて低温→高温をの変わり目を予測する(アプリなどに記録しておく)
- 下着などについたおりものの変化を観察する(MAXにびよーんと伸びるとき)
- ドラッグストアなどで排卵日検査薬購入して調べる
高温期・黄体期
【高温期・黄体期のトラブル】
こころの症状
イライラ,憂うつ,不安,眠気,集中力の低下
ねむ気,集中力の低下,睡眠の障害
からだの症状
頭痛,腹痛
乳房が張る,痛む,乳首が敏感になる
食欲の不振または過食,便秘
だるさ,むくみ,ニキビ,体重が増える
【高温期・黄体期の骨盤】
次の生理に近づくにつれてだんだんと骨盤が開いていきます。
ココに注意
悪い姿勢や子宮への冷えの侵入などにじゅうぶん注意しましょう。
【高温期・黄体期のケア】
卵子と精子が出会わなかった,つまり受精妊娠が成立しないと次の生理にむけて坂道を下っていきます。12~14日間続きます。さらにこの後半は月経前症候群PMSが強く現れるようになり体調が悪化しやすくなります。
ただし過ごし方によってPMSを軽減させることはじゅうぶん可能です。
軽いうちに面倒なことを済ませておいて,無理なくゆったり過ごすことを心がけましょう。
全身をまんべんなくボディトリートメントしてストレスからくる倦怠感や虚脱感を貯めこまないようにするのも方法です。
このほか対策として
- 食欲の暴走はたっぷりの温野菜で対抗する
- 基礎体温が高くなるので便秘がちに,食物繊維や発酵食品を摂る
- ゆったりした服装や靴でむくみ対策を
- 入浴やマッサージで脚のむくみ対策を
- 寝る直前までPCやスマホをいじらない